2.四季を感じる料理、旬に対する考え方 – 第11回和食ワールドチャレンジ|Washoku World Challenge The 11th Competition

2.四季を感じる料理、旬に対する考え方

日本は、約3,500余りの島から成り立ち、北は北海道の亜寒帯気候、南は沖縄の亜熱帯気候、本州の大部分は温帯と、南北に広がる長い列島のため地域によって気候が異なる島国です。
また、日本は湿度の高い雨の多い国で、春・夏・秋・冬と四季が分かれ変化もはっきりしています。日本がもたらす気候・風土によって、地域ごとに異なる様々な種類の素晴らしい食材が収穫されています。また湿潤な気候のため、味噌や醤油など日本独自の発酵調味料が発達し、日本料理に欠かせないものになっています。

日本には旬という言葉がありますが、主に食材に用いられ、魚介類や野菜などが最もおいしく、栄養価が高くなる食材の最盛期の時期をさします。旬の食材を通して、四季の変化を身近に感じる事も、日本料理の魅力といってもよいでしょう。
更に旬の中でも、出始めの時期に季節を先取りする「走り」、盛りを過ぎて最後を惜しむ「名残り」と食材に対して呼び方や使い方を変えています。季節の移ろいを楽しむだけでなく、同じ食材でも一年を通し違う味を楽しむことが日本料理の旬に対する考え方です。

例えば野菜の場合、「走り」とは柔らかく生でも美味しく食べ、「名残り」になると、秋で収穫する茄子のように、味や甘みが濃くなるものも多く、その味わいを活かした料理の仕方で旬を楽しみます。

今では、品種改良や流通手段の進歩により、一年中出回る食材が多くなりましたが、自然の変化に親しむと共に、料理で季節を感じる事は、日本料理の醍醐味であり、大切にしていきたい事です。