和食ワールドチャレンジとは?

「和食ワールドチャレンジ」は、世界各国の日本食レストランで日本料理の経験がある料理人が、日本料理への熱い思いと技術を競うコンテスト。日本国農林水産省が主催する外国人による日本料理コンテストで、今回第6回目の開催となります。
本年は予選大会を世界5カ所(パリ、ニューヨーク、ロサンゼルス、バンコク、大阪)で行い、予選大会を勝ち残った6人は2019年1月28日、29日に東京で行う決勝大会へ招待いたします。あなたの日本料理の実力を試すことのできる出来る絶好のチャンスに奮ってご応募ください。

予選大会に進出すると...

決勝大会に進出すると...

  • 日本で開催される決勝大会へご招待
  • 本場で日本料理を学ぶ研修参加

日本料理の基本「五味・五色・五法」

日本料理の基本は「五味・五色・五法」です。五味とは、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味。五色とは、赤・青(緑)・黄・白・黒のこと。そして五法とは、切る、煮る、焼く、蒸す、揚げる、という調理法。これらを組み合わせ、素材が本来持っているおいしさ内側から引き出す料理、それが日本料理です。

大会テーマ『UMAMI』

うま味とはなにか?

日本料理の味わいの基本は、うま味にあります。「うま味」とは、「甘味、酸味、塩味、苦味」につづく、  五味の中の一つで料理の味の構成要素の大切な味です。いまや海外の辞書にも「UMAMI」と掲載されるほど世界の共通語となった「うま味」の成分はグルタミン酸などのアミノ酸とイノシン酸、グアニルなどの核酸が代表的な物です。
日本ではうま味を抽出するために、昆布や鰹節を使ってうま味成分を取り出す「だし」の技術を500年ほど前から実現しており、江戸時代中期(1651~1745頃)に数多く出版された料理書では、「だし」の重要性が常に説かれていました。このように「だし」に対する強い思いは古来よりあり、だしのうまみ味で素材の味を最大限に引き出し、美味しい料理を生み出しています。
日本料理にとってのだしは、昆布と鰹節で取るだしがもっとも基本的です。昆布のグルタミン酸と鰹節のイノシン酸による相乗効果がもたらされ、うま味を十分に堪能できる組み合わせになります。

今年度のテーマ『IRODORI』

日本料理は五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)で愉しむ料理と云われています。第6回のテーマはそのうちの観て味わう視覚についてフォーカスをあて、『IRODORI』としました。
私たちは実際に料理を食べる前に、第一印象である視覚(目で見る)で美味しさを感じます。「IRODORI」は、食べる前の楽しみや味覚に期待を与え、美味しさに影響する大切な要素といえます。その『IRODORI』を構成するのは、料理の基本色として五色(赤・青(緑)・黄・白・黒)があります。食材を彩りよく盛り付けられると、私たちは美味しさを感じるのです。

視覚により美味しさを表現する『IRODORI』のセンスが料理人に問われることに今年はなります!

あなたの日本料理、そして『UMAMI』と『IRODORI』のセンスをレシピにし、応募ください!

メッセージ

審査員長よりチャレンジャーへのメッセージ

和食がユネスコに登録されて5年のいま

南北に長く、四季が明確な日本には多様で豊かな自然があり、そこで生まれた食文化もまた、これに寄り添うように育まれてきました。このような、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」を、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、2013年12月にユネスコ無形文化遺産に登録されました。あれから5年。ユネスコ無形文化遺産登録時には、海外における日本食レストランの数は約5万5000店でしたが、2017年には2倍の約11万8000店へと伸びました。この伸び率は目覚しい一方、日本人シェフがいない店舗が多いことも事実です。しかし日本人のシェフがいなくとも、世界ではそれだけの数に日本料理を作れるシェフが望まれているということです。日本政府が開催する「和食ワールドチャレンジ」に参加し、優勝を目指してください。そしてあなたの住むエリアでイニシアチブを取り、日本料理の指導や次を牽引してくれるような存在にぜひなってください。

審査員長
村田 吉弘 氏
「菊乃井」代表取締役、
特定非営利活動法人日本料理アカデミー 理事長

審査副員長より応募にあたってのアドバイス

「IRODORI」は美味しく見えるように
バランスを考えましょう

「和食ワールドチャレンジ」のメインテーマは「UMAMI」ですが、第6回目のサブテーマは「IRODORI」です。漢字で書くと、「彩り」と書きます。
なぜ「IRODORI」をテーマとしたか。それはプロの料理人が料理を盛り付けるというのは、お客様に対して食べやすく、そして器に盛った形が、バランス良く見た目に美味しそうに見えるよう彩り良く盛り付ける、ことであり料理人にとって盛り付けセンスの見せ所でもあります。バランスの良い盛り付けというのは、器の空間を5とした場合に対して、3程度の盛り付けをすることです。そして器の色を考慮しながら、5色を基本に、赤や黒はポイントとして使用すると、美味しさが引き立ちます。
「UMAMI」と「IRODORI」共に表現するためには、食材の持っている色を大切にすることで、白はより白く、緑(青)色はより鮮やかな色に、黄色、赤色、黒色も新鮮な色で盛り付けることです。常に自然の色を大切にすることで、自然とおいしさ(UMAMI)は感じられます。
「和食ワールドチャレンジ」に参加することで、必ずあなたの日本料理人としての力は向上します。大切なのは、彩りが素材のおいしさを高める事を突き止めることです。日本料理人としての大きな前進として、ぜひご参加ください。

審査副員長
仲田 雅博 氏
学校法人大和学園 理事、
京都調理師専門学校 校長

決勝審査員よりメッセージ

日本料理の真髄を学ぶチャンス

今回のテーマである「UMAMI」は、日本料理の命である出汁をとるために作られる、多くの方の手を介し出来上がる、それは贅沢な素材であり繊細なテーマです。

日本料理には、五感に訴える技術力とおもてなしの気持ちなくしては、完成しません。

日本料理は、召し上がって頂く人を想う気持ちや人としての基本が重要となります。皆さんが母国で培ってきた基本を胸に「和食ワールドチャレンジ」で積み上げてきた日本料理への想いを形にしてください。

日本国農林水産省が主催し、優勝すれば日本での決勝大会へのチャンスがある今大会は、世界中に貴方自身の日本料理の可能性を広げる大きな一歩となるでしょう。

是非チャレンジしてほしいと思います。

審査員
野永 喜三夫 氏
「日本橋ゆかり」