5.日本の気候・風土と日本料理

日本料理は、日本の豊かな自然から得られる多様な食材に支えられています。
そんな豊かな食材が生まれる背景をご紹介します。

日本は、南北に細長い弓形の島国です。
本州、四国、九州、北海道の4つの主な島の他に多くの島より構成されており、日本列島と呼ばれます。

北は北緯45度の亜寒帯から南は北緯25度の亜熱帯の気候帯に囲まれおり、近海に2つの暖流と寒流がぶつかる絶好の漁場です。海と淡水に生息する魚の種類は4,000種に及び、その内魚市場で食材として販売される魚は300種類もの多種に及びます。

国土の70%が豊かな森林に覆われ、多雨地帯となり、年間平均雨量は、約1,700ミリという世界平均の2倍以上の雨に恵まれています。
水は山から海へと流れていくため、産地の多い日本の川は勾配が急で流れが速く淀みがありません。
日本は清涼な大量の水に恵まれているので、水を贅沢に使う事ができます。
日本では清浄な水を用いて不純物や有害物を洗い去る作業は、水によって「清める」という心理的な効果をも含まれてきました。

また、温暖なモンスーン気候帯に属しているため、四季の変化がはっきりしています。
豊かな自然と四季に恵まれた日本では、地域によって様々は種類の新鮮な食材が収穫されます。
また、このような湿潤な気候が、味噌や醤油など独自の発酵調味料も発達させています。

日本料理は、食材と水に恵まれ、調理方法、や技術、道具やしつらえ等を育んできました。それゆえ季節感を感じ、自然を尊重する誠心を忘れないのです。